handicraft森の樹の日常をなんとなく。木工のお話も。


by morinoki8
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読書日記から

「もりもり読書日記」に書いた読書メモですが、少し、仕事の話なので、以下コピーを貼り付けます。本は、「日本力 松岡正剛 エバレット・ブラウン著」(PARCO出版)。

尊敬する松岡正剛先生の対談本。図書館で見つけて借りてきて、一気読み。
エバレット・ブラウンさんの名前は知らなかったけど、今後著書を探して読もうと思う。

美しい可能性に満ちた本だと思う。買ってきて家に置いておかなくちゃ。
同時に、場末のものづくりの一人として反省を強いられる耳の痛い言葉もたくさん。いやむしろ、そちらの方が。というのも、今日も卸先を挟んでお客さんとのコミュニケーション・ギャップで小さなトラブルがありました。はい、こちらの事情はたくさんありますが、客観的にみると悪いのは明らかに私です。プロ意識の欠如でした。ってなんの話だ。

以下、ちょっと抜書き


松岡 職人さんの場合でも、このホゾはこのカンナだなとか、このキリだなチョウナだなと選んで、いろいろとニュアンスを合わせてやっていくわけですけれども、そういったことが全部、頭なり体なりに残っていて、その記憶なり蓄積が出てくることで、ものが仕上がっていく。(中略)しかも、どこかちょっと違ったなとか、動きというかゆらめきがあるから、未完成のままで、それが次のものを生んでいく。(p158)

松岡 職人や絵描きたちがひとつのものをつくりあげるのに、どれだけ手間暇をかけてきたのか、ひとつの価値観がつくられるまでに、どれだけの月日がかけられてきたのか。そういったことをとらえる時間の感覚が、日本人はかなり麻痺してしまいました。 (p184)

松岡 ハッといいものができた。なぜできたかわかないけれども、できたという、そういうことが起きる。自分でとりに行くスピードと、やってくる偶然とがピタッと一致する。これがセレンディピティですけれでも、そういった偶然を準備するには、それをうけとるだけの下地、全体のコーディネーションをつくっておかないといけない。日本人は、この下地というものを時間なり手間暇をかけて、しっかりつくっていたと思うんです。
(中略)
 その「手続き」というのは時間と一緒ですから、時間をかけて、手間暇をかけて、くりかえしていないとわからないんですよね。そういうことがとても大事だいうことは、あらためて強調したほうがいいでしょうね。(P192-p193)

ブラウン ぼくが日本の豊かで深い文化や遊び、禅や神道といったものがすきなのは、そこで「自分が消えていく」という体験ができるからです。自我というものが消えて、自然と一体となり、人と一緒になる。自分自身が溶けていく文化とでもいえるでしょうか。
西洋では「個人」や「自我」というものが確固たるもので、それが紛れもなく存在するとされていますが、それは幻想だと思います。この世界の本当の姿は、日本の文化のほうがしっかり、とらえている。「自己」や「自我」といった余計なことにふりまわされない、自然に溶け込んでいくことの出来る「ただの生命体」--ぼくは、その解放感
がとても好きです。(p298)


ものづくりのはしくれとして、「手間暇」を惜しんだための失敗は、10年を超えても日常茶飯事である未熟な僕には、本当に耳に言葉が突き刺さるのだが、いまも、漆の作業をして、「なんでこんなことになるの?」という初めての(失敗の連続の)経験に右往左往している。ここ数日の気温の急激な変化(といっても5度以内だが・・・)のせいなのか、漆そのものの品質のせいなのか、それはわからない。漆芸家ならば、当然理由も対処方法も分かる程度の変化なのだろうが、漆仕上げがすべてではない木工家にとってはまったくの未知の領域。
でも、自然素材と付き合うにはマニュアルは部分的にしか役に立たない、というのは一方で楽しい経験でもある(仕事としては締め切りもあるので気が気ではないのだけれども)。
そういう謙虚さをもって仕事をしないと仕方がないな、と思っている今日この頃。
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by morinoki8 | 2010-09-26 22:05 | 工芸

台風一過

ご無沙汰しています。
書くこと、書くべきことが山積みしているのですが、どうにも手が回りません。
といつもの言い訳でスタートしますが、今回は台風のお話その他近況報告。

久々の直撃でした。怖い!
どうにも名護の上空を通り過ぎたようで、凄まじかったです。オキナワに住んで14年あまり。TOP3に入る強風でした。

とはいえ、直前まで青空、風もそよそよ。ん?ほんとに台風来るの?ガセネタじゃない?とは思いつつもTVでも気象庁のHPでも、すでに強風域に入っている。あと数時間で真上に来る予報。うーん。それにしても・・・と思っていたら突然やってきました。

ほんといきなり全開!F1以上!ゼロヨン加速!

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写真のこの樹は根元近くから真っ二つになりました。奥様が団地の役員なので、朝から一緒にチェンソーで細切れにしてえっちらおっちら後片付け。大変でした。
で一段落してヘロヘロになって工房に行くと・・・

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工房の中も外もグチャグチャでした。はあ。
なんとか片付けたのはいいのですが、電気がショートしてブレイカーが上がらない。困りました。
おまけに農道に倒れている樹を避けながら車を走らせると、踏んづけて折れた枝が車のヘッドライトに突き刺さっている。いったいどうやって(写真に撮るのを忘れました)?

とはいえ、まあ、この程度で済んでよかったです。


で、話は変わりますが、最近あまりの美しさにパチリパチリしているのは・・・

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携帯写真でも充分美しいですが、実際には「仏国土もかくありなん」みたいな夢のような多彩な色彩でした。信じられない美しさです。

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こちらは定番の、黄金に輝く西の空。

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夕焼けの後、黄昏れていくほんの数分。世界から色彩がフェイドアウトしていく時間の風景が最近は好きです(実際はモノクロームの風景なのですが、携帯が自動で露出をUPするので写真はちょっと明るいです。加工しよっと)。
というわけで、ちょっとやりたいことがあるので、こんな風に空の風景を撮っています。

台風一過、まあ、無事に過ごしているという次第。
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by morinoki8 | 2010-09-01 22:28 | つれづれ