handicraft森の樹の日常をなんとなく。木工のお話も。


by morinoki8
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<   2008年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

さてさて、お客様からの便り第2弾は、「厳しい!」編。
今回のお客様は、口と足で描く芸術家協会正会員でもあり、歌人でもある森田真千子さん。

HPでふくろう時計を見つけていただき、ご注文いただきました。
画家の方からのオーダーということで、少し緊張して製作していたつもりでもあったし、出来栄えも悪くない、と思っていたのですが・・・。

HPからのオーダーの方とは直接会って評価を伺うことができませんので、いつも納品時にお客さんのご感想をおねだりしています。

というわけで、森田さんよりメールが届きました。

> 率直な意見とおっしゃるので書かせて頂きます。
> 気にいっているんですが、傾きが足りないなと思ったのと、
> 寝ているところを注文させて頂いたはずですが、
> 寝ていないんですが、 意図があってのことなのでしょうか?
> それと尻尾部分が大きすぎると思いました。
> 正直な答えです。

うわー!厳しい。しかもオーダーの内容を僕が間違えている!!
ごめんなさい。すいません。ということで、早速お詫びのメールと、作り直す旨お伝えしました。

その返事も直ちにいただきました。

>厳しいことを書いてごめんなさい。
>でもあそこまでつくられる作家さんとして
>もっともっと新しい挑戦をし続けて頂きたいんです。
>それが出来る方だと思ったからです。

(中略)

>期日は、佐藤さんの納得がいったものが出来た時としておいてください。全く急ぎません。

(中略)

良い商品でもあり良い作品となることを願っています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、とても優しく暖かいご返事をいただいたのですが、僕の悩みはここから始まりました。
それは、まだ、上手く文章で書くことができないことで、そのため、この記事もなかなか書けませんでした。
それは、職人と作家、工芸と芸術、作り手と使い手(受け手)にかかわる問題です。

僕の納得とお客さんの納得、商品と作品・・・。
良い商品でもありよい作品でもあること。

うーん、森田さんの意図とは別なのかもしれませんが、これは難題です。
どこに軸足を置けばいいのか?随分悩みました。

ふくろうの時計は僕のオリジナルですし、他にはないものですから作家物といってもいいでしょう(作るのが難しい、という意味ではありません。他の人が作ったら他のものになる、という意味で僕のオリジナルです)。でも、普段の制作は、いつも書いているように「自動ふくろう制作マシン」と自身が化しています。手の動きに任せています。ひとつひとつ自己の表現として作っているものではありません。

また、オーダーで作る場合は特にお客さんの要望を満たすことを第一義としています。なので、実際の制作作業は職人仕事です。

とまあ、こういうことを書いているように、結局は今の仕事の延長上で、ひとつのフクロウ時計を一生懸命作るほかなく、そうしました。

この間、ずいぶん昔にお客さんからいただいた別の手紙のことも思い出していました。
その手紙は、僕がまだ木工屋として一本立ちする前に、アマチュアの手作り展に出した最初のフクロウ時計を買われた方が、その3年後くらいに別の展示会でフクロウ時計を見かけ、書いてくださったものです。この方が買われた最初のふくろう時計は、今の僕には正視できないような出来です。その手紙には次のようなことが書かれていました

「展示会を拝見しました。仕上がりもきれいになって、技術が上がったことは一目で分かりましたが、僕にはこの今のふくろうには興味が持てません。僕が買ったふくろうは下手ですが、なにかパワーがあります。作り手のパワーが伝わってくるものが僕の求めているものです。」

これには参りました。作り手はだれでもそうなのだと思いますが、始めた頃の一番のテーマは技術の向上です。技術の向上がなければ創作/制作の自由を得ることが出来ません。でもその技術の向上を否定されたならば(この方はそれを否定されたのではないと今では思いますが)、当時の僕はなす術がありませんでした。なんとか返事を書こうと思い、ずっとその手紙を持ち歩いていたのですが、どうにもそれが果たせないまま奥様から訃報が届きました。
返事を書けなかった慙愧の念とともにこの手紙のことが忘れられません。

あるとき、昔の写真の整理をしていたときに、またべつのものですが、初期のフクロウ時計の写真が出てきました。やはり下手糞だし、デッサンはでたらめだし、奇怪そのものなのですが、「おおっ!」と自分で驚くくらいモノから出てくる力があったのです。「力」というよりは「臭い」かもしれません。「なんか臭うね・・・」みたいな感じ。
この写真を見て、前述の手紙の内容が少し分かりました。いま、それを忘れないように工房の壁にこの写真を貼っています。

さてさて、いつものように話があっちこっちし、また長ったらしい文章になってしまいました。

森田さんとは、その後もメールのやりとりをしていただき、森田さんの優しさと誠実さに甘えてしまい、次第に僕の悩み相談みたいなかたちになってしまいました。恥ずかしい。

その再納品後、

(前略)
>その時々によって(時期・時代によって)変わるのが「芸術」のよさだと思っています。
>佐藤さんの作品に「芸術」をみたんです。
>他にもネットでいくつかの木のふくろうはみていましたが、
>温かみが感じられなかったのと、飽きがくるように他のものでは感じたんです。
>佐藤さんのには、温かさを感じ、これからの木の変化を楽しみたいと思っています。

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>こんな感じになりましたよ。
>ホッとするような部屋になりました。

というメールもいただきました。
結果として随分、お客様である森田さんに甘えてしまったようです。
修行が足りません。精進します。はい。
森田さん、いろいろとありがとうございました。

森田さんのHPはこちら。ご覧下さい。
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by morinoki8 | 2008-04-26 17:31 | アート

イギリスからの便り

本来ならば、お客様からの便りpart-2を書かなくてはならないのですが(前回予告してしまった・・・)、その前にイギリスからの便りが届きましたのそちらのご紹介。

僕が古巣で第3世界ショップと兼任していたWWB/ジャパン(女性のための世界銀行/日本支部)で同僚だったN.Iさんが、ここ沖縄で沖縄国際大学の先生をしている、ということは以前にも書きましたが、そのN先生、この4月から、イギリスはリーズ大学に留学しています。
先日、このもりもり日記にコメントを寄せてくれました(前記事)。それによるとブログを始めたとの事。

さすが大学の先生、ブログを始めるや否や、圧倒的な情報量です。
もりもり日記では、友人のtorutoru先生のボリビア(sur-okinawa日記)とつながっていますが、これでまたイギリスともつながることが出来ました。もりもり日記 as International-blogてなもんや!

で、N先生のブログは、リーズ便り。お気に入りでもリンクしますので、ぜひご覧下さい。 
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by morinoki8 | 2008-04-16 21:38 | ゆかいな仲間

お客様からの便り

私の古巣、フェアトレード&コミュニティトレードの第3世界ショップ

その第3世界ショップで、私のふくろう時計をはじめいくつかの作品を取り扱ってもらっています。貧しいもりもりを優秀な後輩の皆さんが応援してくださっているというわけですね。

さてさて、その第3世界ショップのお客様から、ふくろう時計についてのお便りが届いたという事で、今月発行の「第3夢カタログ」にそのお便りが掲載されていました。以下許可を得て転載します。

 ~ふくろう君と私 ~

 今から数年前になると思います。カタログのページを繰っていると「!」、ふくろうの時計の「ふくろう」と目が合ってしまいました。しばらく「ふくろう」とにらめっこ。まばたきせずに見つめられて私の負け。

 すっきりとしたデザイン、手作りの温かさ。「素材は沖縄の森の恵み・・・」と説明があり、一度きりですが那覇から名護へ高速バスで友人を訪ねた時に車窓から見た緑の深い森を思い出しました。

 やがてふくろう時計は私のところへやってきました。その頃、年のせいに加えて病後でもあったので夜中に度々目が覚めました。うれしいことに目覚めた時には、いつも「ふくろう」は私を静かに見つめて、まん丸のやさしい目で眠れない夜の不安を消してくれました。

 今では親しみをこめて「ふくろう君」と呼びかけては、時折気まぐれな話も聞いてもらっています。

 大事なふくろう君を不注意にも怪我させてしまった時のことです。秒針が曲がり短針が欠けて動かなくなり、生みの親、佐藤康司さんにわざわざ部品を送って頂いたり、「第3世界ショップ」へ入院したりいろいろとお世話になりました。おかげでふくろう君は動き出し無事に帰ってきました。

 「第3世界ショップ」には「モノと人」「人と人」との温かいつながりがあるのですね。これからも良い付き合いをお願い致します。スタッフのみなさん、ふくろう君は元気です!


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(第3夢カタログ vol.21 p53)

ということです。ありがたいことです。また、大事に使っていただくと本当に嬉しいです。
どの作品も長く大事に使っていただきたいので、皆さま、修理については遠慮なくご連絡ください。


さて、いつもありがたい話ばかり乗せていますが、実は厳しいご批評を頂く事もあります。
次回はそのあたりじっくり腰をすえて書きたいと思います。
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by morinoki8 | 2008-04-08 22:54 | 木の時計

iroiro

怒涛の3月が終わり、ちょっと一息。
とはいっても5月には恒例(?)の仙台での物産展への出展があり、ボーとしている暇はないのですが・・・。

で、昨日は家族で「浜下り祭り」に行って参りました。

浜下りとは、

 「旧3月3日は沖縄では女子は浜におりて身を清めるという慣行があり、海岸は貝をひろう女性や家族づれ(ところによっては女子だけでなく家族のみんなが浜におりるという)が集まる。またこの日、各家庭ではよもぎの葉を入れた草餅をつくる。
 「浜下り」は「浜の白砂を踏むことによって体が清められる」という信仰に基づいており、旧3月3日だけでなく、家に鳥が飛びこむなど、なんらかの不吉な知らせがあれば、いつでも浜下りをして災厄を払うという慣習も地域によっては見られる。 (「沖縄の祭りと年中行事」より)」
とのこと。

このお祭りは、その浜下りの季節に、ボガンボスのリーダーだった故どんと氏を偲んで開かれるコンサート。今年で11年めとのこと。
心配していた雨も夕方には上がり、海辺の芝生の上で波の音をバックに、インド舞踊、アフリカンダンス、ケルト音楽のkuriのデュオと続いて、メインのアマナが登場!

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昨年の名護での3人展でも演奏してくれたアフリカ音楽の近藤ヒロミさん(僕大ファンなんです)、元ゼルダの小嶋さちほさん、ハーモニウムの根間よう子さんの女性バンド。かっこいい!

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こちらは程よく酔いも回ってご機嫌のTさん一味。
アマナのステージの後には、前述のkuriのお二人も加わり、アマナ+kuriの「甘栗」セッション。
とっても良かったです。

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コンサート終了後には、浜辺でファイヤーダンスのパフォーマンスも。
その後は、近くのゆいむん工房のNさん宅にお邪魔し、改めて呑んで泊めていただきました。お世話になりました。

といって遊んでばかりではありません。先週は在庫切れ間近な小枝の収穫に、友人の芸術家トシちゃんのタンカン農園へ行って参りました。
防風林に使っているユシギ(和名イスノキ)を剪定した枝をもらいます。

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これが剪定中のトシちゃん。
イヤー久々の樵仕事でしんどかった。息が上がりました。ぜーぜー。

で、もらってきた小枝は、乾燥しないうちに皮むきをしなければなりません。これも一仕事。
でも放っておくと虫は入るし、皮は固まって刃が入らなくなるし。今のうち。サボるわけにはいきません。今週のお仕事です。
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by morinoki8 | 2008-04-06 17:12 | つれづれ