handicraft森の樹の日常をなんとなく。木工のお話も。


by morinoki8
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<   2007年 10月 ( 4 )   > この月の画像一覧

ジグジグ

今日は冶具のお話。冶具と書いてジグと読みます。

僕はだいたい勢いでモノを作るので、木工屋としてはあまり冶具は作らないほうだと思います。でも、ぜんぜん作らない人も多いみたいなので、どうかな?、多いのかな?よくわかりません。

で、冶具とはなにかというと、機械、手道具を問わず、作業が正確にできるようにするための定規と作業型を兼ねたものだといえば良いでしょうか。

冶具や型(こちらは墨付け用)を作る方は作品毎に冶具や方を作るみたいですが、森の樹の場合、量産型のモノづくりでもありませんし、量産しているものでも、作っているうちに自分で細部を変えて行ったり、気がつかないうちに線が変わったり、変わることが楽しみみたいなところがありますので、以前は使った型もあえて破棄したりしています。

墨付け用の型については、よっぽど曲線が決まった時は取っておきますが、それ以外は、R(半径)の違うものを十数種類常備してその組み合わせで用を足しています。

さてさて、いつものように前置きがだらだら続いてしまいました・・・。

そういうように冶具をあまり作らない私ですが、冶具を作ると驚異的に作業が正確になり、かつスピードもあがる、ということは経験上知っています(では、なぜいつも作らないのか?と聞かれると・・・、自分でもよくわかりません。精神分析でも受けてみようかな・・・)。

で、このたび、千切り(通称:チョウチョ)の冶具を作ってみました。
千切りとは、板の接ぎ目や割れ目がそれ以上広がらないようにするために板に埋め込むものです。形が蝶に似ているので、チョウチョ。
この千切りの簡単な作り方は、先輩方やmokumokuの仲間からいくつか聞いていましたが、どうも、それほど使う頻度が高くないこともあり、今までは、手ノコと鑿でひとつひとつ手作りしていました。

それがなぜ、今回冶具を作り量産する気になったかというと、新導入した昇降盤のおかげ。
この昇降盤、サイドにホゾきり用のノコ歯がつけられます。「これでチョウチョ作れるよな?」とは6月頃から思っていたのですが・・・。

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やっと写真がでてきました。これが昇降盤の上の冶具です。斜めに写っている棒は押さえ棒です。

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で、たちまちのうちにこれだけ出来てしまいました。
いままでの手作りだと、一個作るのに10分くらいかかっていたのに・・・。

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で、早速、今度の京都展に出品する琉球松のちゃぶ台に。この琉球松、たぶん幹ではなく大きな枝を板にしたもの。曲がりくねって、しかも節多し。小さな割れだらけ。

で、たくさん千切りをいれました。さすがにこれだけ(5個)をいっぺんに手作りするのはしんどかったので、量産したというわけです。
冶具作りから始まって、千切りを数十個加工し、尚且つちゃぶ台に千切りにあわせた穴を空け、千切りを嵌めこんで、最後に鉋をかけて・・・ここまでが午前中で時間のお釣りがきました。自分で吃驚!

いままでの私は、なにをしていたのでしょう!はあ。
仕方が無いので、また和歌などを・・・。

節多し琉球松の曲がり枝
卓に変わりて蝶々飛ぶ


まいどお粗末でやんす。
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by morinoki8 | 2007-10-31 21:13 | 工芸

秋風ぞ吹く

いやー長い長い夏がやっと終わりを告げに来たようです。

「今年は鳴かないなぁ。数が少ない年なのかなぁ」と9月下旬より思っていたヒグラシの仲間の声が、この一週間ほど高く響き渡っています。

そして3日前、われらが阪神がCSでドラゴンズに負けた夜も更けて就寝時

「ううっ。寒いよ」とタオルケットを首まで引き寄せました。
日中はまだまだ泳げるほどの陽射しと気温が続きますが、一挙に秋が押し寄せてきた感じです。

以前に書いた文机の制作は、今月頭には終わり納品してきました。

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引出しは、箱を組んで引出しごとにレールをつけると、制作は簡単だし動きもスムーズなのですが、そこは文机。やはり伝統の箱モノの木組みで組み立てました。

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こちらは納品した文机。子供さん(無敵のR太クン!)の勉強机なので、天板のサイズも勉強机サイズです。なので文机と言うよりは座机かな。材は樫。カッコイイ(自画自賛)!

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こちらは同時に作った琉球松バージョン。さずがに子供机には渋すぎました。現住所はmokumoku。


てな具合で、この文机の後、すぐに大ぶりな(クスノキの一枚板)デスクを制作していますが、引き出しを始め、基本構造が同じなので予想以上にトントントントンと仕事が進んでいます。
こちらも本体はすでに出来上がっていますが、摺り漆仕上げにしますので公表はもう少し先になります。お楽しみに。

そんなこんなの充実の秋ですが、そこは亜熱帯の沖縄と言えどもやはり秋。ちょびっと寂しい(人恋し)、感じも・・・

てなわけで、工房からの夕焼けを前に一句

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虎敗れ 熱き季節の終わりし日
南の島にミーニシ(新北風)ぞ吹く


お粗末でしたぁ。
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by morinoki8 | 2007-10-16 22:32 | 机・テーブル

動物農場???

おくばせながら「教科書検定」のお話。

いろいろ考えるところから、当事者としてあるいは知り合いが当事者の場合を除いて政治的な話題はこのブログでは書かないことにしています。

でも、今回の教科書検定をめぐる様々な言説については、健康のためやはり少しだけ書きたいと思います(沖縄県民という当事者あるいはdoremikoさんが名護市史編纂室での調査員をしているという当事者として、といういいわけもありますが)。

この間の経緯については、すでに全国ニュースとなっているところからここで繰り返す必要はないでしょう。
僕が言いたいのは、9月29日の県民大会以降の様々な言説、主に政府・与党の面々の発言について、です。

曰く「政治的介入は出来ない」
曰く「客観的公正な審議会の判断」
曰く「検定制度を揺るがす事は出来ない」
等々。
極めつけは、中山成彬元文相が今日言ったという「11万人集まれば変えられるのか?」との発言。
(「新しい教科書を作る会」がなにやらまた騒いでいるようですが、こんなのは無視します)

順番に。
「11万人云々」と言うのであれば、ではどうやったら変えられるのか?という方法を示さなければ話になりません。本人は多分一切そんなことは意識しないでの発言でしょう。要は「変えられんのだぞ」ていうことを言いたいのだと思います。
神聖にして不可侵。明治憲法下における天皇と同じ。「いやそうじゃない。そこまで極端なことを言っているわけではない」と言うのならば、最初に戻りますが変えるための道筋を示す必要があるのは論理の帰結ではありませんか?

「客観的公正な審議会」
これが、すでに形骸化した手続きのみのものであることが(行政の審議会は僕もなんどか事務局を勤めた事がありますが実に茶番です)、多くのマスコミによって報道済みであるにもかかわらず、それは全国ニュースで報じられていないからかもしれませんが、いまだに繰り返し言われます。
まあ、報道は報道としておいておくとして、
「客観的公正」というならば、それは何によって担保されるのでしょうか?ある与党の政治家(大臣だったかな?)は「科学的に」という接頭語を使っていましたが、「科学的」であるには「反証可能性があること」という定義が一般的です。科学史を紐解けば常識です。日本だけ違うのかな?
反証を受け付けない目的のために「客観的」「公正」「科学的」とかの言葉を使うのは実に「主観的」「不正」「非科学的」です。まあ、中味を誤魔化すための接頭語ですね。
担保については、これは僕の考えですが「公開性」以外にはないと思っています。
匿名で密室で導かれた結論は、それが結果として正しかったとしても正当性を担保されないのではないでしょうか?

「政治介入は出来ない」
「検定制度触れない」

なにをかいわんや。です。「政治介入」とは個々の政治家が恣意的(個人の思想信条あるいは利権など)に介入するのはけしからん、というのが元々の意味でしょう。あるいは政権を取った側が数にものを言わせて強引に物事を決める。それはその通りだと思います。

それを摩り替えてここで使うのは、それは政治家としてありえないことだと思いますが、なぜか堂々と通用しています。
じゃあ、主権在民、国権の最高機関である国会、等々の憲法の言葉は何処に行ったのか?
行政府が非公開で行った(手続きだけは形式的に踏んだのでしょう)行為を正すには、主権者である国民の代表である政治家による政治手続きでしかない。それを認めないならば、戦前と同じように官僚独裁を肯定するのと同じ事でしょう。
しかもそれを当の国会議員が口にするとは。本末転倒ここに極まれり、というしかありません。
国会という公開の場で、堂々と検定制度の問題点、今後のあり方、手続きのあり方を議論すべきではないでしょうか?

初夏の頃、最初に沖縄県議会で抗議決議の提案がなされた時、「今裁判中の事案であり、ここで決議をあげると、司法への政治介入になる。なので反対」と言った若手の保守系議員がいました。バカじゃないのか。もし、県議会の抗議決議が本当に裁判に影響を与えることがあるのだとすると、それは司法制度そのものの危機です。そっちの方が大問題でしょう。こういう人は中学校に戻って社会の勉強からやり直すべきでしょうね。三権分立の意味さえわかっていないのですから。ちなみにこの議員、県民大会の前後から、今まで自分が先頭に立って抗議してきた旨の発言をしています。あれあれ、まあまあ。

簡単に冷静にきちんと書くつもりだったのですが、勢いだけでどんどんダラダラと書いてしまいました。
こういう話題は、一歩も二歩も引いてきちんと論理だてをして、たとえば論文のような形式で書いた方が有効なのは重々承知していますが・・・。

ただ、権力が恣意的(文部省の検定の実態こそが恣意的なのであって、撤回を求める様々な動きには、新たな調査や証言、11万人の結集、県内マスコミの精力的な仕事、と膨大なエネルギーがかかっています)に自由気ままに歴史を塗り替える様は、ジョージ・オーエルの「1984」を思い起こさせます。時の権力が歴史を捏造してきたのは、有史以来面々と続いてきたことではありますが、「ビッグ・ブラザー」の名の元に、日々日常業務として歴史を塗り替える小説中の専門部局の存在が、ああ、今の文部科学省の中に実際にあったのね、ということなのでしょうか。

まあ、この間の政治家の動き方をみると同じオーエルの「動物農場」は、今のこの国を取材して書いたのかな、と時空を無視して思ったりもします。共産国での官僚支配の揶揄ですが、政治の言葉の硬直具合は似たようなものですね。
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by morinoki8 | 2007-10-05 21:32 | つれづれ

イルカの時計

7月の事ですが、HPを通じてメールでイルカの時計の見積もり依頼がありました。

お店のmokumokuの所在地でもある宜野湾市在の学生さんのYさんから。
聞けばやはりmokumokuはご存知。
なので、「なんで僕をご指名いただけたのですか?」、と聞いたところ

「デザインした時計を依頼するにあたっては、皆さん(mokumoku)の作品を参考にしてhandicraft森の樹さんを指名させていただきました。」

ですって。嬉しいっす!
というわけで、Yさんからイルカのデザインを持って来ていただき、それをベースに文字盤や目をどうするか、尻尾と口で挟むものはどうするか、色は、仕上げは、等々まずはメールで、最後はmokumokuにご来店いただいて打ち合わせをしてきました。
(ちなみにYさん、知的な美人なのでちょっとドキドキ!)

さてさて、そういうわけで張り切って5匹のイルカ君を仕上げ、8月に納品しました(納品時にバタバタしました。すいません!)。
こんな感じです。

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まずは全体像

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顔のUP

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こちらは文字盤

で、その後、「どうだろう?気に入っていただけたカナ?」と気にしていたところ、

「1つは、2度の台風に挟まれた先週、友人の結婚式があり、イルカ時計を贈ることができました。あと、2つは既に結婚している友人にプレゼントして、とても喜んでもらえました。4つめは、私が記念にもらうことにしました♪残り1つは、出番待ちなのですが近々贈り先が決まりそうです。
佐藤さんには、いろいろな要望に応えて頂き感謝しております。
どうもありがとうございました!!」

というとっても嬉しいメールを先日いただきました。
この仕事なにが嬉しいかといって、納品したお客さんからこういうメールや手紙が来る事ほど嬉しい事はありません。本当にありがとうございます。

実を言うと上の写真もYさんに頼んで送っていただきました。いつもいつもドタバタしているので、自分で写真を撮るのをついつい忘れてしまいます。
そんなこんなの森の樹ですが、どうか皆さまこれからもよろしくお願い致します!!
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by morinoki8 | 2007-10-02 22:22 | 木の時計