handicraft森の樹の日常をなんとなく。木工のお話も。


by morinoki8
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<   2007年 09月 ( 3 )   > この月の画像一覧

広島市の北の果て、山間の一軒家で「工房からっぽ」を主宰する草木染めの作家宇野淳子さん。

思い起こせば15年ほど前、僕が第3世界ショップの九州支店長として北九州市に赴任して以来のお付き合い。
人生の大先輩として、あれやこれやいろいろご相談に乗っていただいたり、仕事を助けていただいたりしてきました。そのうち僕自身が思わず木工屋になってしまったので、工芸の大先輩でもあります。

工房からっぽにも僕の拙い作品を置いてくださり、沖縄に来てからもずっとお世話になってきました。HPでは最初からリンクしていましたが、ここのところ僕自身のドタバタにかまけて宇野さんのHPにもご無沙汰していました。
ついこの間、メールを送ることがあり、久々にHPにお邪魔したところ、ブログを始めていらっしゃいました(ずいぶん遅れて気がついています。申し訳けありません)。

宇野さんの文章は、暖かさと厳しさと優しさに満ちていて、それはすべて宇野さんの経験に裏づけされた言葉の数々なので、若造の僕にはなかなかとっつきにくかった時期もありましたが、そんな僕もこの年齢になり、少しづつ受け止められるようになってきたような気がします(ん?単なる気のせいかな)。

横にリンクを貼りましたので、皆さまぜひご覧下さい。

とりあえずはこちらでも↓

           工房からっぽ
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by morinoki8 | 2007-09-28 21:18 | 工芸

最近のお仕事

まいど。
どうしても間が開いてしまいます。でも仕事はちゃんとしています。

母屋のHPも「8月中に更新します!」と宣言した割にはなにもしていません。うーん。
溜まれば溜まるほど困難になっていくので・・・。いかんとも・・・。

さてさて、最近のお仕事。
いずれも携帯の写真なので、画像がイマイチですが・・・。

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まずは、お得意様の首里の<茶房A>さん。
店の中央に鎮座増しますクスノキの一枚板のメインテーブルを延長したい、ということで、幅80cmのクスノキのテーブルと椅子二脚、スツール二脚。

しかし、在庫に幅80cm。厚さ8cmのクスノキの1枚板は無し。そこで師匠にSOS。安くはありませんが(師匠厳しいっす!)一枚譲っていただきました。

苦労したのが椅子。納期も予算も結構厳しい。あまり手の込んだ椅子を作るのは無理。ところが一方でカウンター席には先輩木工家の作ったナイスなデザインの椅子三脚。丁寧な仕事で有名な方です。その椅子に対してあまり差のあるものを作るわけにはいきません。そんなこんなでジレンマに。どないしまひょ?

てなわけで、ここは昔定番で作っていたデザインの再登場を願いました。
脚も背もたれも削り出しなので手間がかからないわけではありませんが、それでも一度作ったものは早い。なんとか予算も納期もお客様のご満足もクリア致しました(はず)。ふう~。

以下3枚の写真は大阪の相棒、メンアットワークの関山氏よりのご注文

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作りつけ本棚で、「こだわりのあるお客様なので、いい材料を使ってください」との依頼でしたので、ならば高級感の出る樫でどや、と木取りをした後に「宙吊り棚」と判明。
うっ!それだと重いぞ!!てなことで関山氏を通じて大工さんといろいろ相談。「まあ、なんとかなるでしょう」とのことでGOサイン。厚みを予定より薄くしましたが、それでも重い重い。60Kgくらいあるかな(息子にトラックの積み込みを手伝わせた時「これくらい一人で持てないとお姫様抱っこ出来ないぞ」てなことを言いましたら「こんな重い女とは付き合わない」ですと。あらま)。

また、作りつけ家具なので、1.5m余りの幅の誤差は1mm以内という指定。棚板一枚あたり0.3mmの誤差です。平面であればそれくらい合わせますが、棚なので上下もあり・・・。
いろいろゴネましたら、「別のところで調整するので神経質にならないでOKです」との電話。ありがとうございます。でもでもなんとか1mm以内の誤差ですませました。

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こちらはバーのカウンターのようですが、お店のレジ台件商談用カウンター。スツール四脚とセットで。いい感じでしょ。

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天板は栴檀。なかなか手に入りづらくなってきた栴檀。しかもス(スカスカの白い斑点)も染みもほとんどないきれいな板。なので、ずっと大事に取って置きましたが、思い切って使いました。満足いただけるはずです。

てな感じの8月後半~9月上旬でした。この連休はmokumokuの当番やら、仲間のまっくる屋のぎゃらりーのオープンパーティやらで作業はお休みです。

休み明けからは、製材してある文机の製作に。こちらもご注文。京都展が11月に迫るもなかなかそちらに入れず。どうする?
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by morinoki8 | 2007-09-23 15:02

木工の哀しい話

まいどご無沙汰しております。仕事はきちんとこなしておりますのでご心配なく。

さてさて先日のこと。
PTAを通じた知人から、「姉が佐藤さんに椅子を直してもらいたい、ってことだけど、そっちへもって行っていい?」「はいはいどうぞ」てなことで大きなロッキングチェアが工房に運ばれてきました。

見るとロッキング(脚の下のカーブした部分)が地面から平行にバラバラに剥れております。

「直る?」
「うん、まあ直りますよ。2週間くらいしたら電話しますね」
てなわけで、注文のお仕事が一段落したある日の午後修理に取り掛かりました。

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で、バラバラに剥れただけでなく、片方のロッキングの後部部分は剥がれ落ちてなかったので、似た木理の材を見繕って、その部分を加工し貼り付けました。

写真左側の白っぽい部分がそれです。
で、そこもそうなのですが、それより右の部分にも平行に継目の線が走っているのが見えるでしょうか?
そう、この長さ90cmくらい、縦の幅が最大で12cmくらいのロッキングは3cm幅くらいの板を4枚接ぎ合せた板から切り抜いてカーブを作ってあります。

そんなあほな!とは少しでも木工を齧ったことのある方なら思われるはず。木工をやっていなくても、例えば物理を習ったばかりの高校生でも???って思うんじゃないかな。

図を描いて説明する(気持ちの)余裕がないので分かりにくいかもしれませんが。人間の重たい体重(まあ、30kg~60lg~100kgくらいかな)を支える椅子の力学的強度は木工屋はいつも大変気を使います。ベクトル(力のかかる方向)に合わせて、その部分には強度を確保するためのいろいろな工夫をします。

でも、このロッキングの部材の加工方法は、体重以前の構造自体が破綻しています。このロッキングには、鋭角をつけて前後の脚が差し込まれますので。そのカーブの中心点から円周方向に向かって力がかかります。分かりやすく言うと両端を両手で持って中心に向かって押しつぶす力。
なので上記の継目の平行線に沿ってバラバラに裂けるのは当たり前。

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じゃあ、よほど安物のどうでもいい家具なの?というとそうでもなし。
写真のとおり、ウィンザーチェア様式。ひょっとしたら有名なモデルのコピーかも。同じデザインを我々個人工房で作るとしたら、15万円くらいにはなりそうです。
まあ、彫を入れたり曲げたりいろいろしてる割には、全体として野暮ったいので、コピーとしてもたいしたものではないのかもしれません。
材料はラワン系だと思いますが、それにしてはスカスカの材。貫の2本だけがなぜか針葉樹です(杉?パイン?)。なので材自体にも強度はありません。
それに加えて先のロッキングの加工方法です。

修理は我ながら綺麗に終わり(ただし補強のためのビスを打ちまくり)ましたが、後から空しさやら哀しさがこみ上げてきました。

我々工房家具の作品は、日常的にお客さんから「(価格が)高い」という評価を頂きます。もちろんマイナスの評価です。でも、その評価の基準は往々にして家具屋さんで売られている安売り家具。
ダイニングセットなど客寄せの目玉商品で信じられない価格(僕の椅子1脚分程度)で売られていますが、まあ、経験上そういう椅子は2ー3年で壊れますな。

このロッキングチェアのつくりを見ると、それは安く作るためにそうせざるを得ないのではなくて、何度も買い換えさせるためにそうしているのではないか、という疑問さえよぎります。

それでもそういった椅子やテーブルの大部分は一応は無垢材や集成材が使われていますが(ん?そうでもない?)、箪笥や食器棚・本棚は90%以上が合板。安物は合板に見せかけたダンボール。
そんなものを基準にして、無垢材と格闘しながらエンヤコラと作る木工屋の家具を「高い」と言われるのですからたまったものではありません。

と、以前からこの話は、(もっと冷静に)新聞のコラムでも書いたりしている古い話題ですが、もう、いいや!自分のブログじゃ!言いたい事言わせてもらうじぇ!と書きました。

こういうものを売る(作らせる)感覚の空しさ。量産品とはいえ、実際のこのロッキングチェアを作らされている職人(椅子の構造からして細かい分業体制での量産品。そしてたぶん、人件費の圧倒的に安い国)さんの空しさ。特に後者の空しさはいかばかりでしょう・・・。

まだまだいくらでも書けるぜ!てなところですが、そんなこんなでとても空しくなりましたので、今日はこの辺で止めておきます。はい。
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by morinoki8 | 2007-09-10 22:52