グランドスラムならず!
2010年 10月 07日
ってまた大げさな。
せめて「サイクルヒットならず!」くらいの話。
いえ、イチローでもマートンでも青木でもありません。
私の木工のお話。
毎年この季節恒例のウッディ・フェア・コンペ。
今年のお題は
アジアの心
琉球の『かたち』
沖縄の『くらし』
また、抽象的なテーマです。まあ、肝は「暮らしのかたち」ですな、こりゃ。あとのアジア、琉球、沖縄はどうにでもなる。そこは「やまと」に置き換えてもそれほどかわらないはず。って書くとウチナンチューの皆様からは叱られるかな?
昨年、一昨年とプラザハウス賞(三席)、総合事務局長賞(準グランプリ)といただきましたが、どちらも(特に昨年は)邪道で。つまりは単なる賞狙いの一品。賞狙いの邪道は、賞を得る確率は高いのですが、実際の商品化にはなかなか結びつかない。要するに「面白いけど売れない」。まあ、邪道は邪道(実は好き)。
なので今年は、真正面から王道で、ついでにいままでいただいたことのないグランプリをいただきませう、と張り切って応募いたしました(今年でこのコンペは最後との話もあり)。
題して「摺漆琉球松舟形座卓」。
結果は惜しくも、プラザハウス賞。残念。とはいえ三年連続で三賞受賞なので、まあめでたい。
でも、今回は漆の仕上げに手こずりました。
なんどやっても予想外の斑が出来るは、水研ぎで染みは出来るは、漆の予想外の反応に四苦八苦。
それでもなんどもなんども重ね塗りしてなんとかここまでいちどは仕上げたのです。
琉球松の天板は黒。オキナワウラジロカシの脚は朱。と、首里城をイメージした漆の風合いも出せたと思ったら・・・・・・・・このあと、じゃあ、最後にもう一度重ねようとした時・・・・
うぎゃあー!自らの手で引っかき傷をグリグリと天板につけてしまいました。摺り漆をする軍手の指先に木片が挟まっていたようです。
呆然と立ち尽くし、そして大声をあげ、よよよと泣き崩れる僕。このときコンペ搬入の3日前。傷は、今までの塗装(漆)をすべて剥ぐくらい削らないと消せない。通常の塗装ならいざ知らず。摺り漆だととても間に合わない。
すべてをあきらめつつ、サンダーに120番のペーパーをセットする僕。せっかくの重ね塗り(すでに7回以上)をはがして、もう一度初めから・・・・。
でも、120番のペーパーを当てたとはいえ、充分下塗りとしての漆は生きていました。その後搬入前日まで出来る限り漆を重ね(当日には当然乾かない。審査員の皆様、もしかぶれられていたならら、どうかお許しを!)、最初の写真の状態まで復元しました。
この直前の失敗がなく、漆の風合いを予定通り出せていたら・・・。しかし、どんなに早くから準備をしても、コンペというやつ、いつも最後までバタバタしてしまうのでした。
ちなみに今回のコンペの出品作のなかで僕がグランプリだなと思ったのは
「木暮らし工房」さんのこの作品。小物ですがデザインも技術も完成度が違います。お皿の内側の底は斜めにカットされています。円形なので何個でも写真のように組み合わせることも出来るし、立てることも。うーん、こういうのは僕には出来ない仕事。参りました。はい。
せめて「サイクルヒットならず!」くらいの話。
いえ、イチローでもマートンでも青木でもありません。
私の木工のお話。
毎年この季節恒例のウッディ・フェア・コンペ。
今年のお題は
アジアの心
琉球の『かたち』
沖縄の『くらし』
また、抽象的なテーマです。まあ、肝は「暮らしのかたち」ですな、こりゃ。あとのアジア、琉球、沖縄はどうにでもなる。そこは「やまと」に置き換えてもそれほどかわらないはず。って書くとウチナンチューの皆様からは叱られるかな?
昨年、一昨年とプラザハウス賞(三席)、総合事務局長賞(準グランプリ)といただきましたが、どちらも(特に昨年は)邪道で。つまりは単なる賞狙いの一品。賞狙いの邪道は、賞を得る確率は高いのですが、実際の商品化にはなかなか結びつかない。要するに「面白いけど売れない」。まあ、邪道は邪道(実は好き)。
なので今年は、真正面から王道で、ついでにいままでいただいたことのないグランプリをいただきませう、と張り切って応募いたしました(今年でこのコンペは最後との話もあり)。
題して「摺漆琉球松舟形座卓」。
結果は惜しくも、プラザハウス賞。残念。とはいえ三年連続で三賞受賞なので、まあめでたい。
でも、今回は漆の仕上げに手こずりました。
なんどやっても予想外の斑が出来るは、水研ぎで染みは出来るは、漆の予想外の反応に四苦八苦。
それでもなんどもなんども重ね塗りしてなんとかここまでいちどは仕上げたのです。
琉球松の天板は黒。オキナワウラジロカシの脚は朱。と、首里城をイメージした漆の風合いも出せたと思ったら・・・・・・・・このあと、じゃあ、最後にもう一度重ねようとした時・・・・
うぎゃあー!自らの手で引っかき傷をグリグリと天板につけてしまいました。摺り漆をする軍手の指先に木片が挟まっていたようです。
呆然と立ち尽くし、そして大声をあげ、よよよと泣き崩れる僕。このときコンペ搬入の3日前。傷は、今までの塗装(漆)をすべて剥ぐくらい削らないと消せない。通常の塗装ならいざ知らず。摺り漆だととても間に合わない。
すべてをあきらめつつ、サンダーに120番のペーパーをセットする僕。せっかくの重ね塗り(すでに7回以上)をはがして、もう一度初めから・・・・。
でも、120番のペーパーを当てたとはいえ、充分下塗りとしての漆は生きていました。その後搬入前日まで出来る限り漆を重ね(当日には当然乾かない。審査員の皆様、もしかぶれられていたならら、どうかお許しを!)、最初の写真の状態まで復元しました。
この直前の失敗がなく、漆の風合いを予定通り出せていたら・・・。しかし、どんなに早くから準備をしても、コンペというやつ、いつも最後までバタバタしてしまうのでした。
ちなみに今回のコンペの出品作のなかで僕がグランプリだなと思ったのは
「木暮らし工房」さんのこの作品。小物ですがデザインも技術も完成度が違います。お皿の内側の底は斜めにカットされています。円形なので何個でも写真のように組み合わせることも出来るし、立てることも。うーん、こういうのは僕には出来ない仕事。参りました。はい。
by morinoki8
| 2010-10-07 21:59
| 机・テーブル