人気ブログランキング | 話題のタグを見る

handicraft森の樹の日常をなんとなく。木工のお話も。


by morinoki8
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

カウンター納品しました

お店のmokumokuに来店されたNさんご夫妻。
2世代住宅を新築され、キッチンとダイニングの仕切りのカウンターのご相談。

「ダイニングテーブルを置かないで、このカウンターで食事をしようと考えているので、5人家族でどれくらいの大きさが必要でしょうか?」
「一人あたり60cm幅が必要ですから、角で一人としても2400mm前後になりますね」
という会話から始まり、だいたいの寸法や材質の話をして、スケッチ&寸法図と一緒にお見積り。

その後、現場での最終確認、デザインの変更を経て、来店から一と月少したってGOサイン、となりました。
楠2枚接ぎ、奥行き700mm、幅2200mmという大きさ。さらにシンクに隣接する部分はカウンター下の空間がデッドスペースになるということで、その部分は、前後ろ反対にして前側に本棚を。これで一体型にすると構造が複雑で、しかも大きさも重さもとても運べるものではありません。
というわけで、食器棚部分、本棚部分、天板を3つに分けて、現場で組み立てる方法をとりました(配達時、この選択が正しくてほっとしました。一体型であれば、3階なのでクレーン車が必要なところでした。)

カウンター納品しました_e0071811_13595245.jpg


天板は、シンクの隣なので、水に強いポリウレタン仕上げ(木固めエース)。
このポリウレタンを使ったのは今回初めてなのですが実にムツカシイ。塗っては#1000のペーパーで水研ぎ、の繰り返しなのですが、どうしてもムラが出るため納品を3日伸ばしていただき、計6回重ね塗りしました。漆より高価で、かつ塗装に神経を使いました。漆は仕上げの回数はもう少し多いのですが、ムラは、塗り重ねにより自然に馴染んで均一になっていきます。なので、ひたすら丁寧な作業を心がければ綺麗に仕上がります。
ところがこのポリウレタンは、人工有機塗料なので、浸透と乾燥のスピードのバランスをとるのが大変、何度もシンナーの割合を変え、なんとか無事に美しく仕上げました。

カウンター納品しました_e0071811_140421.jpg


表側。左手壁の隣が本棚です。美しい奥様が立っている下の部分は食器棚になっています。
真ん中は、ダストボックス入れ。出し入れを簡単にするために表側を扉に。



カウンター納品しました_e0071811_1402278.jpg


こちらは相談途中で追加でご注文いただいたご両親宅のカウンター。少し小ぶり。
ご予算の関係で天板は杉を使いました。ただし、塗装はやはりポリウレタンで。杉の場合は浸透が均一なので、比較的楽でした。

カウンター納品しました_e0071811_1403343.jpg


お母様と一緒に表側。こちらは一体型。素材が杉で比較的軽いので、なんとか2階まで運ぶことができました。

両方とも部屋にマッチして、とても喜んでいただきました。「想像していたよりずっといいです。ありがとうございます」とのお言葉をいただきました。嬉しい、そしてほっとする瞬間です(納品時は大変な緊張をしています。汗)。

お客様のご要望に合わせて、寸法・形・デザイン・仕上げ等工夫しますので、フルオーダーメイドはいつも新しい挑戦です。ご予算との兼ね合いはもちろんありますが、職人としてできるだけのことをしたいと思っています。遠慮なく、いろいろご希望の家具についてご相談ください。
by morinoki8 | 2009-07-26 14:00 | キッチン&ダイニング